「NSVA ラン&ウォーク講習会 & 伴走(歩)教室」 in大阪
2006年3月19日(日) 大阪府立盲学校
野尻さんのレポートです

野尻さんからも、レポートを頂きました、4月3日、更新しました、
ありがとうございます。

NSVA伴走講習会に参加して   野尻 誠  
 春まだ浅い3月19日、大阪府立盲学校を会場に「NSVAラン&ウォーク講習会&伴走(歩)教室」が開かれました。  
この日に向けて、大阪長居伴走練習会わーわーずでは総力を上げて準備に取り組み、当日は95名(ブラインド22名、晴眼者73名)もの方々が集いました。
 私は和歌山から盲学校の寄宿舎で指導員をしている晴眼の方とともに参加。みぞれの降る中、正門前で約1時間半誘導に当りながら、徐々に増える参加者の多さに胸を熱くしておりました。
 2時、いよいよ体育館で講習会の開始。NSVA代表の宇佐美先生による講義では、「犬の散歩とウォーキングは違う。一直線上を歩くことを意識して、重心を前に移動させるイメージが大切」そして呼吸法について、「吸呼と言わないのは吐くことに主眼が置かれているためで、意識して吐くことが重要」などの話しを伺いました。重心移動の理論は難しいけれど、これまであまり意識したことがなく、とても新鮮な思いで聞かせていただきました。くにさんこと、鈴木邦夫さんからは伴走者に求められることとして、「安全の確保、手の振りの保障、相手への気配り」、そして「いつも自由に練習することができない視覚障害ランナーのことを考えてほしい」と、私たちが置かれている実態をありのままに端的に話されるのを聞きながら、おもわず目頭が熱くなりました。続いて、2人ずつペアになり1人がアイマスクをして、体育館の中や階段を使ってガイドの体験。初めての方は一様に不安な面持ちで、真剣な眼差しで取り組んでいました。
 後半は全員がグラウンドに出て先ほどから学んだ伴走の実技練習。手の振りを保障するために歩調を合わせる練習を繰り返し行ないました。やはりロープをもった側の手も振ることができると走りがかなり楽になることを実感、これまでいかに手が振れていなかったかを痛感させられました。左右を入れ替えての伴走の練習(私の場合は普段は伴走者が左で慣れているので、なかなか難しい)、そしてビルドアップといって、トラック3周をワンセットに1周ずつスピードを上げていくという練習へと進んでいきました。教室もいよいよ大詰め、視覚障害者が全員走って、トラックを周回するたびに伴走者をチェンジしていくという、とてもユニークな企画が行なわれました。
 今回、伴走講習会に初めて参加して2つのことを学びました。1つは、走るフォームを考えることです。上体を起こしすぎると重心が後ろにいってしまい無駄が多くなることなど、競技性を上げていくためにはよいフォームを意識して練習しなければなりません。
 もう1つは、私たち視覚障害者がもっと声を大きくして伴走者を育てていかなければならないということです。遠慮せず積極的によい伴走の仕方を助言していくことが必要で、そのためにも「安全性、手の振り、気配り」という伴走者に必要な3つの要素を教わったことは大変貴重でした。
 この講習会を通して、視覚障害ランナーが沢山いることを、初めて参加された皆さんに知ってもらったことだけでも大きな第1歩だと思います。少しずつ伴走の輪が広がっていくことを願いたいと思います。
 講師を務めてくださった宇佐美先生、くにさん、みほさん、そして準備や企画に取り組んでこられたわーわーずの皆さん、参加された全ての皆さん、本当にありがとうございました。
(野尻さんの文章おしまい)

参考:講師の方々のホームページ
宇佐美彰朗先生 http://www.usami-akio.com/
鈴木邦夫さん(リンクのページにもあります) http://www.banso.com/


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